汎用パラメータと引数


この章では、汎用型、関数、およびイニシャライザのパラメータと引数について説明します。汎用型、関数、サブスクリプト、またはイニシャライザを宣言するときは、汎用型、関数、またはイニシャライザが操作できる型パラメータを指定して下さい。これらの型パラメータは、汎用型のインスタンスが作成されるか、汎用関数やイニシャライザが呼び出されたときに、実際の具体的な型の引数で置き換えられるプレースホルダとして機能します。


Swift の汎用の概要については、ジェネリック(汎用) を参照してください。



汎用パラメータ句


汎用パラメータ句 は、それらのパラメータに関連するすべての制約と要件に沿って、汎用型または関数の型パラメータを指定します。汎用パラメータ句は、山括弧 (<>) で囲まれ、以下の形式です。


<>


汎用パラメータリスト は、コンマで区切られた汎用パラメータのリストであり、それぞれの形式は以下のとおりです。


:



汎用パラメータは、オプションの 制約 が続く 型パラメータ で構成されています。型パラメータ は、単にプレースホルダー型の名前です (例えば、T,U,V,Key,Value などなど)。型の残り、関数やイニシャライザ宣言で関数やイニシャライザの署名に含められた、型パラメータへのアクセス (およびそれらに関連する型のいずれか) があります。


制約(constraint) は、型パラメータが特定のクラスを継承またはプロトコルやプロトコル構成に準拠していることを指定します。例えば、以下の汎用関数で、汎用パラメータ T: Comparable は、型パラメータ T の代わりに任意の型引数が、Comparable プロトコルに準拠しなければならないことを示します。


  1. func simpleMax<T: Comparable>(_ x: T, _ y: T) -> T {
  2.         if x < y {
  3.                 return y
  4.         }
  5.         return x
  6. }


IntDouble は、例えば、両方とも Comparable プロトコルに準拠するため、この関数は、どちらの型の引数でも受け入れます。汎用関数またはイニシャライザを使用した場合、汎用型とは対照的に、汎用引数の句を指定しないでください。代わりに型引数が、関数またはイニシャライザに渡された引数の型から推測されます。


  1. simpleMax(17, 42) // T is inferred to be Int
  2. simpleMax(3.14159, 2.71828) // T is inferred to be Double


汎用の where 句


型パラメーターとその関連型の追加要件を指定するには、型または関数の本体の開始の中括弧の直前に汎用の where 句を含めることでできます。汎用の where 句は、where キーワードと、カンマで区切られた1つ以上の 要件 のリストで構成されます。


where


汎用の where 句での 要件 は、型パラメータがクラスから継承するか、プロトコルまたはプロトコル構成に準拠していることを指定します。汎用の where 句は型パラメータで単純な制約を表すためのシンタクティックシュガーを提供し (例えば、<T: Comparable> は、 <T> where T: Comparable と同等です、など)、型パラメータとその関連する型の、より複雑な制約を提供するためにそれを使用できます。たとえば、プロトコルに準拠するように型パラメータの関連型を制約できます。たとえば、<S: Sequence> where S.Iterator.Element: Equatable は、SSequence プロトコルに準拠し、関連する型 S.Iterator.ElementEquatable プロトコルに準拠している事を指定します。この制約は、sequence の各要素が equatable であることを保証します。


また、== 演算子を使用して、2つの型が同一である要件も指定できます。たとえば、<S1: Sequence, S2: Sequence> where S1.Iterator.Element == S2.Iterator.Elementt は、S1 および S2Sequence プロトコルに準拠するという制約を表し、また両方のシーケンスの要素が同じ型でなければならないという制約を表します。


型パラメータの代わりの全ての型の引数は、型パラメータ上のすべての制約と要件を満たしていなければなりません。


型パラメータに異なる制約、要件、またはその両方を指定することによって、汎用関数またはイニシャライザをオーバーロードできます。オーバーロードされた汎用関数またはイニシャライザを呼び出すと、コンパイラはこれらの制約を使用して、呼び出すべきオーバーロードされた関数またはイニシャライザを解決します。


汎用 where 句の詳細についてと、汎用関数の宣言の1つの例については、汎用の Where 句 を参照してください。


汎用のパラメータ句の文法

generic-parameter-clause< generic-parameter-list ­>
generic-parameter-listgeneric-parameter | generic-parameter ­, generic-parameter-list
generic-parametertype-name
generic-parametertype-name : type-identifier
­ generic-parametertype-name protocol-composition-type

generic-where-clausewhere requirement-list­
requirement-listrequirement | requirement ­, ­requirement-list­
requirementconformance-requirement | same-type-requirement

conformance-requirementtype-identifier ­: ­type-identifier
conformance-requirementtype-identifier ­: protocol-composition-type
same-type-requirementtype-identifier ­== ­type



汎用引数句


汎用引数句 は、汎用型の型引数を指定します。汎用引数句は角括弧 (<>) に囲まれた、以下の形式です。


<>



汎用引数リスト は、型引数のカンマで区切られたリストです。型引数 は汎用型の汎用パラメータ句に対応する型パラメータを置き換える実際の具体的な型の名前です。結果は、その汎用型の特殊なバージョンです。以下の例は、Swift 標準ライブラリの、汎用辞書型のバージョンを示します。


  1. struct Dictionary<Key: Hashable, Value>: Collection, ExpressibleDictionaryLiteral
    {
  2.         /* ... */
  3. }


汎用 Dictionary 型の特殊なバージョン、Dictionary<String, Int> は、汎用パラメーターの Key: HashableValue を、具体型引数の StringInt で置き換えることによって形成されます。各型の引数は、汎用の where 句で指定された全ての追加要件を含む、それが置き換える汎用パラメータのすべての制約を満たさなければなりません。上記の例では、Key の型パラメータは Hashable プロトコルに準拠するように制約されるため、String も、Hashable プロトコルに準拠しなければなりません。


また、それ自体が汎用型の特殊なバージョン (それが適切な制約と要件を満たすように提供された) である型引数を持つ型パラメータを置き換える事ができます。たとえば、その要素自体は整数の配列である配列を形成する、 Array<Int> の特殊なバージョンで Array<T> 内の型パラメータ Element を置き換えることができます。


let arrayOfArrays: Array<Array<Int>> = [[1, 2, 3], [4, 5, 6], [7, 8, 9]]



汎用パラメータ句 で述べたように、汎用の関数やイニシャライザの型引数を指定するのに、汎用引数句を使用しないでください。


汎用引数句の文法

generic-argument-clause< ­generic-argument-list­ >
generic-argument-listgeneric-argument | generic-argument ­, ­generic-argument-list
generic-argumenttype





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    セットへのアクセスと変更
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    Switch 文内の Break
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    戻り値の型としての関数型
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  • クロージャ式
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    クロージャ式の構文
    文脈から型を推論
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    失敗可能イニシャライザのオーバーライド
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  • デイニシャライザはどのように働くか
    作動中のデイニシャライザ
  • Optional の連鎖
  • 強制開封の代替としての Optional の連鎖
    Optional の連鎖のモデルクラスの定義
    Optional の連鎖を使用したプロパティへのアクセス
    Optional の連鎖を通じてメソッドを呼び出す
  • Optional の連鎖を通じてサブスクリプトへのアクセス
  • Optional 型のサブスクリプトにアクセス
    連鎖の複数レベルのリンク
    optional の戻り値を持つメソッドでの連鎖
  • エラー処理
  • エラーの表現と Throw
    エラーの処理
    throw 関数を使用したエラーの伝播
    Do-Catch を使用したエラー処理
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    エラー伝播を無効に
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  • 型キャストのためのクラス階層の定義
    型のチェック
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  • 実際のネストした型
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  • 拡張機能の構文
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    イニシャライザ
  • メソッド
  • 変異インスタンスメソッド
    サブスクリプト
    ネストした型
  • プロトコル
  • プロトコルの構文
    プロパティの要件
    メソッドの要件
    変異メソッドの要件
  • イニシャライザの要件
  • プロトコルイニシャライザ要件のクラス実装
    失敗可能イニシャライザの要件
    型としてのプロトコル
    デリゲート
  • 拡張機能を持つプロトコル準拠の追加
  • 拡張機能を持つプロトコルの採用を宣言
    プロトコル型のコレクション
    プロトコルの継承
    クラス専用プロトコル
    プロトコルの構成
    プロトコル準拠の確認
    Optional のプロトコル要件
  • プロトコル拡張機能
  • デフォルトの実装の提供
    プロトコル拡張機能に制約を追加
  • ジェネリック(汎用)
  • 汎用が解決する問題
    汎用関数
    型パラメータ
    型パラメータの命名
    汎用の型
    汎用型の拡張
  • 型の制約
  • 型制約の構文
    実際の型の制約
  • 関連型
  • 実際の関連型
    既存の型を拡張して関連型を指定
    型注釈を使用して関連型を制約
    汎用の Where 句
    汎用の Where 句を含む拡張機能
    関連する型と汎用の Where 句
    汎用のサブスクリプト
  • 自動参照カウント
  • どのように ARC は働くか
    実際の ARC
    クラスインスタンス間の強い循環参照
  • クラスインスタンス間の強い循環参照の解決
  • 弱い参照
    所有されていない参照
    所有されていない参照と暗黙に開封された Optional のプロパティ
    クロージャの strong な循環参照
  • クロージャの strong な循環参照の解決
  • キャプチャリストの定義
    弱い参照と所有されていない参照
  • メモリの安全性
  • メモリへのアクセス競合の理解
    メモリアクセスの特徴
    In-Out パラメータへのアクセスの競合
    メソッド内の Self へのアクセスの競合
    プロパティへのアクセスの競合
  • アクセス制御
  • モジュールとソースファイル
  • アクセスレベル
  • アクセスレベルの全体的指針
    デフォルトのアクセスレベル
    ターゲット一つのアプリのアクセスレベル
    フレームワークのアクセスレベル
    ユニットテストのターゲット用のアクセスレベル
    アクセス制御の構文
  • カスタム型
  • タプル型
    関数型
  • 列挙型
  • 生の値と関連する値
    ネストした型
    サブクラス化
  • 定数、変数、プロパティ、およびサブスクリプト
  • ゲッタとセッタ
  • イニシャライザ
  • デフォルトのイニシャライザ
    構造体型用のデフォルトメンバ化イニシャライザ
  • プロトコル
  • プロトコルの継承
    プロトコルの準拠
  • 拡張機能
  • 拡張機能の private メンバ
    汎用
    型エイリアス
  • 高度な演算子
  • ビット単位演算子
  • ビット単位の NOT 演算子
    ビット単位の AND 演算子
    ビット単位の OR 演算子
    ビット単位の XOR 演算子
  • ビット単位の左と右シフト演算子
  • 符号なし整数のシフト動作
    符号付き整数のシフト動作
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    文字列のリテラル
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    型識別子
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    関数型
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    配列型
    辞書型
    Optional の型
    暗黙に開封された Optional の型
    プロトコル構成の型
    メタタイプ型
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    型の推測

  • 接頭辞式
    Try 演算子
  • 二項式
  • 代入演算子
    三項条件演算子
    型キャスト演算子
  • 一次式
  • リテラル式
    Self 式
    スーパークラス式
  • クロージャ式
  • キャプチャ・リスト
    暗黙のメンバ式
    括弧で囲まれた式
    タプル式
    ワイルドカード式
    キーパス式
    セレクタ式
    キーパス文字列式
  • 接尾辞の式
  • 関数呼び出し式
    イニシャライザ式
    明示的なメンバ式
    接尾辞の Self 式
    サブスクリプト 式
    強制値の式
    Optional の連鎖式

  • ループ文
  • For-In 文
    While 文
    Repeat-While 文
  • 分岐文
  • if 文
    Guard 文
  • switch 文
  • switch 文は、網羅的である必要あり
    実行が暗黙的に case を Fall Through しない
    ラベル付き文
  • 制御転送文
  • break 文
    continue 文
    fallthrough 文
    return 文
    throw 文
    defer 文
    do 文
  • コンパイラ制御文
  • 条件コンパイルブロック
    行制御文
    利用可能条件
  • 宣言
  • トップレベルのコード
    コードブロック
    Import 宣言
    ­定数の宣言
  • 変数の宣言
  • 格納された変数と格納された変数のプロパティ
    計算された変数と計算されたプロパティ
    格納された変数監視者とプロパティの監視者
    型変数プロパティ
    型エイリアス宣言
  • 関数の宣言
  • パラメータ名
    In-Out パラメータ
    パラメータの特殊な種類
    メソッドの特殊な種類
    Throw する関数とメソッド
    Rethrow する関数とメソッド
    決して返さない関数
  • 列挙型の宣言
  • 任意の型の case を列挙
  • 間接による列挙
    生の値型の case を列挙
    列挙型 case へのアクセス
    構造体の宣言
    クラスの宣言
  • プロトコルの宣言
  • プロトコル・プロパティ宣言
    プロトコル・メソッド宣言
    プロトコル・イニシャライザ宣言
    プロトコル・サブスクリプト宣言
    プロトコルに関連した型の宣言
  • イニシャライザ宣言
  • 失敗可能イニシャライザ
    デイニシャライザ宣言
    拡張機能の宣言
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    演算子の宣言
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  • アクセス制御レベル
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  • 宣言の属性
  • インターフェイスビルダーで使われる宣言属性
    型の属性
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  • ワイルドカードパターン
    識別子パターン
    値結合パターン
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    列挙型 case パターン
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    型キャストパターン
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    汎用引数句
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  • 語彙の構造



    宣言
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